お辞儀は1回で大丈夫です。
これが、私たちが会場でいちばん多くお伝えしている言葉かもしれません。
葬儀の場でご遺族やご親族から最も多くいただくご質問は、「しきたりや作法がよくわからない」というものです。なかでも焼香は、順番が回ってきたときに迷いやすい場面です。
実際によくある光景
焼香台の前で、こんなふうにされる方がいらっしゃいます。
- 先に焼香を済ませた参列者の方々に、振り返って一礼
- 導師(お寺様)に向かって一礼
- ご遺族に向かって一礼
- そして焼香をして、また一礼
丁寧にされようという気持ちからなのですが、これをすべてやろうとすると、ご本人が緊張してしまいます。後ろに列も続いています。
そういうとき、私たちはこうお声がけしています。
「簡単で、1回で大丈夫ですよ」
礼の回数が足りないことで失礼にあたる、ということはありません。丁寧さは回数では測られません。
迷ったときの、いちばん簡単な形
- 焼香台の前まで進む
- ご遺族と導師のいる方向に、軽く一礼
- 焼香をする
- ご本尊(お位牌・お写真のある正面)に向かって合掌
- 一歩下がって、向きを変えて戻る
これで十分です。前の方と同じようにされれば、まず間違いありません。
「お辞儀の回数」と「焼香の回数」は別の話
ここが混同されやすいところです。
- お辞儀の回数:とくに決まりはありません。1回で結構です
- 焼香(お香をつまんで香炉に入れる)の回数:宗派によって作法があります
焼香の回数の目安は次のとおりです。
| 宗派 | 焼香の回数 | 額に押しいただくか |
|---|---|---|
| 浄土真宗 本願寺派(お西) | 1回 | 押しいただかない |
| 浄土真宗 大谷派(お東) | 2回 | 押しいただかない |
| 浄土宗 | 1〜3回(定めなし) | 押しいただく |
| 曹洞宗 | 2回 | 1回目のみ押しいただく |
| 真言宗 | 3回 | 押しいただく |
| 日蓮宗 | 1回または3回 | 押しいただく |
※一般的な目安です。お寺様や式の進行によって異なる場合があります。参列者が多い場合は、回数を1回に省略するようご案内することもあります。
ご自分の宗派がわからなくても、心配はいりません
「うちの宗派がよくわからない」というご相談も、とても多くいただきます。
大切なのは、これは故人様の宗派に合わせる作法であって、参列される方の宗派に合わせるものではないということです。ですから、ご自分の宗派がわからなくても困ることはありません。
それでも迷われたときは、遠慮なく会場のスタッフにお聞きください。私たちは毎日この場に立っていますので、その日の宗派に合わせたやり方を、その場でお伝えできます。
聞くことは、少しも恥ずかしいことではありません。むしろ「きちんとお送りしたい」というお気持ちのあらわれだと、私たちは受け取っています。








